
多くの人は皆、自分は誰からも影響を受けてないと思っているが、強く大衆の意見・考えの影響を受けていることが多い。それほど人は、影響を受けやすいものである。皆が同じ心理になることを大衆心理といい。皆の意見や考えと同じになりやすいということである。これは日本社会の特徴と言われる同調圧力とは関係なく、そのような圧力がたとえ皆無であったとしても、世界のどこでも見られる個々人の心理を反映して生じていることである。
大衆心理はマインドコントロール状態の一種であり、他人がマインドコントロールを仕掛けているわけではなく自分で自分自身をマインドコントロールしているようなものである。会社であれば、同僚たちの意見や考えが、知らず知らずに自分の意見や考えになってしまうということさえある。自分の意見や考えが、だんだん同僚の意見や考えに置き換わってきて、最初の発言と、今の発言が、違っていても本人は気づかなくなる。まったく逆の発言にさえなっていく。しかも、マインドコントロールの特徴でむしろ最初から自分はその考え方だったと思ってしまう。
大衆心理、つまり大衆の意見・考え方(大衆心理)になる原因は、人は無意識に、自分の意見や考え方を周りに合わせる習性があることから生じる。特に不安や恐れを持つ人、あるいは承認欲求や保身欲求が強い場合に生じやすい。大衆心理が問題なのはそれが決して良い結果に結びつかず、時には悲劇を招くことすらあるからである。例えば火事場では、大衆心理は、群集心理となり、全員が一つの出口に殺到し、パニックとなり、大惨事になる。政治の場面でもポピュリズムを生み出し、結果、国民全体が的外れな方向に進んでしまうことすらある。
大衆心理、つまり、自分の頭で考えてない状態から脱するには
1)意識して自分の頭で考え、自分なりのアウトプット(行動)をする習慣を身につける
2)大衆心理は合理的な考え方ができずに、いつも貧困や悲劇を招くことがあると理解する
3)孤高(Solitude)なレジリエンスを身につけておく
普通に考えたらありえないようなことが当たり前のように起きてしまう、巻き込まれていくのが大衆心理の世界なのである。ここでいう孤高とは単に人間関係を絶ちなさいとか孤独になりなさいと言う意味ではない。自己のニーズにばかり注目したり、周囲や他者の存在を気にしてしまったりすることをやめ、そのような自己理解から解放された存在様式を持てるようになることを意味する。それがむしろ環境と関わりながらもいつも自由でしなやかな自分を保ちつつ、振り回されないで生きるレジリエンスになるということである。
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