生き方モデル

たった一言とたった一歩

 一定のテーマで何か新しいものを作ろうとする時、普通の人は「創造的なことをするのは難しい」と考えるが、時代をリードする人に共通しているのは「何かきっと簡単な方法があるはず」という考え方である。また、何か大きなことを変えていくには、最初、それに向かう小さい突破口を開けることから始まることが多い。突破口を空けることで、新しい風が吹き始め、新しい風は大きなムーブメントにつながっていく。

 童話「裸の王様」では、王様が裸だと誰も言えなかった状況で、一人の子供の「王様は裸だ」の一言で、一瞬にして皆が変化したのである。知識の詰め込みではなく、教わったことを覚え従うだけではなく、自分で創造するほうが良いことを皆が分かっていても実現できないのは「王様が裸だ」つまり、あたりまえの本当のことを「◎◎は△△だ」と言う人がいないだけである。つまり、

 

 今の時代は偽物があふれる時代なので、みんな潜在的に本物を知りたがっており、誰かが「王様は裸だ」と言えば、気づきが周囲に広がり人々の認識が変わっていく時代でもある。誰もがやりたくてもできなかったことが、一言で変革できるとすれば、その一言が創造的な一言となる。もともと創造とは、たった一言から始まるものであり、そして、その一言には大きな意義がある。その第一声を上げられるかどうかなのである。
 また、人は、一人ひとりの人生にそれぞれの目的が与えられていると聞くと、自分の目的とは何だろうかと考え始め、おぼろげながらも気づいたり見えてきたりすることもある。しかし、そこで、小さい一歩を歩みださないで止まっていると何も始まらない。結局その次に何をしていいかが何もわからなくなる。つまり、入り口で止まった状態で終わっている人が多いのである。
 さらに、人は、思考が大事と聞くと、考えることが好きで思索的で内向的なタイプの人ほど、頭が良い分、思考が先行することで行動できないケースがとても多い。カエルにさせられていた王様が、呪縛を解かれ一瞬で王様に戻るように、人生の目的へと進む時に大事なのは最初の小さな一歩であり、何事においても突破口とは小さな小さな一歩から始まるものである。
 この小さな一歩を突破口へと歩み出せない理由の一つが、机の上だけでそれをわかろうとするような「思考に縛られた」状態にあることが多いということである。例え何かしらメモを取ったりパソコンをいじったり手や体を動かしてはいるがそれに縛られた状態である。思考とは自分の頭のなかですることと思っている人も多いが、思考とは「行動してみて初めて気づいたことについて、考えてみること」と思っておくほうが良い。
 よくあるブレインストーミングでも、参加者各々が考えることに縛られていると「ブレストは成功したが企画は成功しなかった」ということが多くなる。繰り返しになるが、今の時代は何もしないでいること(一歩踏み出せないこと)のリスクが高まっているのである。考えているばかりでうまくいかない人は最初のたった一言とたった一歩を意識するとよい。