生き方モデル

頑固さをなくす

 精神科医として、そして経営者として、私は人に助言やアドバイスをする機会が多いのですが、ときどき、何をどう助言しても、どうしてもうまく理解できない人がいます。逆に、たった一言でも何かしらピンときて、それをいつのまにか自分のものにしていく人もいます。それはどういうことなのでしょうか?

 解決できるはずの問題をアドバイスしても、解決に至らない時、もちろんそれは、私の力がおよばない部分もあるのでしょうが、そういう人には共通の特徴があります。

 自分の考え、思い込み、経験から導き出した結論に強い確信を持っていて、それと違う考えを受け入れないのです。

 本人は「受け入れないぞ」と拒んでいるではないでしょうが、どうも、受け入れることができなくなってしまっているようなのです。

 アドバイスの中の「聞きたいところ」だけを聞き、「聞きたくないこと」は聞かないので、うまく行かないのです。

 そういう人は、協力者をつくりにくく仲間をつくりにくいでしょう。友だちや協力者がいても、離れていってしまいます。場合によっては、周囲に適応できずに職を失うことにもあるでしょう。

 原因は「頑固な心」です。

 そういう人の人生は「雨が降らない土地のように」なっていきます。「豊かさ」とは反対の「貧困」に陥るのです。そのことに気づく必要があります。

 英語ではrebellious。 頑固で反抗的で、きく耳を持たない人という意味です。

 近年、人生の在り方は多様化しています。結婚しない人、家族と離別、死別した人など、ひとりで暮らす人が増えている中でひとり暮らしの将来を心配している人がたくさんいるのです。

 でも、柔らかい心を持っていたら、血縁を超えた友人、人間関係をつくることができるはずです。

 高齢化と独居がすすむ日本を救うのは、年金制度や介護制度より「柔らかい心」ではないでしょうか。

 自分で自分の頑固さに気づいたら、「天よ、どうぞ私に柔らかい心を与えてください」と祈ってみると良いのです。意識してそうしてみると人は変わっていきますよ。