生き方モデル

視点が下がり、思考が混乱し、気づきをブロックする

 人は、自分が学んだこと、それまで誰かに教え込まれてきたこと、頭で理解したこと、経験によって思い込んできたことが自分の中で正しい標準となると、その後学ぶことが自分の標準と違っていると、とりあえずそれは間違いだと無意識に判断してしまうことが多い。これが思考のブロックとなり、自分の視点とは別の視点での気づきが得にくくなっていく。

 下記はマザー・テレサの有名な言葉だが、人が一度自己中心的な考え方(思考)で生きるようになるとその人のすべてが自己中心になり、何をやっても実らず、豊かさから遠ざかることを意味している。

 思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
 性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

 私はこれに、下記のような一文を、その冒頭部分に追加したいと思う。

 視点に気をつけなさい、それはいつか思考になるから。

 視点によって思考は変わるのである。思考(Thinking)とは、外界や内界への知覚認識にもとづいて考えや思いを巡らせる一種の知的行動であり、結論を導き出すなど何かしら一定の状態に達しようとする過程において、筋道や方法など模索する精神の活動である。一方、視点(Viewpoint / Standpoint)とは、物事を観察する方向性や立場や観点を指すものであり、実はこれこそが人の思考や言葉、行動や習慣、性格にまで影響を与えるもっとも重要な要素である。
 つまり「何をどのように見ているか?」がもっとも重要だということである。そして、人の視点を構成し、方向付けているのがその人の「マインド・セット」である。視点には、定位(orienting)、フィルターリング(filtering)、探索(searching)という大きく三つの側面があるが、これらすべてがマインド・セットの影響を受けるのである。
 マインド・セットとは、経験や教育、その時代の空気、生まれ持った性質などから形成される物事の見方や考え方を総称する言葉であり、信念や心構え、価値観、判断基準、あるいは暗黙の了解や無意識の思い込み、陥りやすい思考回路といったものすべてを統合的に処理する心的態度やこころの枠組みのことである。
 現代人は、このマインド・セットが不健全な自己愛で覆われてしまったために豊かになれずにいる。言い換えれば、繰り返しになるが、天の視点が持てず(天に生かされている、愛されているということに気づけず)、そのために視点が下げさせられており、思考が混乱し(何が正しいか間違っているかがわからない)、行動が実りのないものになり、習慣は変化しにくくなり(真の自由を失い)、せっかく与えられているその良い性格を豊かに活かすことが出来なくなっているということである。