生き方モデル

賢さで判断する

 人生にはいろいろな判断の分岐点があります。その時、目の前の現実を過小評価も過大評価もせず、ニュートラルに見て判断することが大切です。というのも、人間の生き方を誤らせる、成否を分ける戦いはまず頭の中で始まるからです。それがあらゆる問題を引き起こしうるのです。

 今回もワールドカップの話題を例にあげてみます。最大の山場は後半の1点リードされて迎えた戦い方の選択に現れました。

 大会前に予選突破は到底無理だろうと酷評されていた日本代表が、予選最後の試合の時点で一位通過も可能になっていたことは、神様の贈り物であると同時に、悪魔から見ると、誘惑の最大のチャンスでもありました。

 つまり「今の勢いなら自力突破できるぞ、一位突破も夢じゃないかもしれない、頑張れ!」というようなすごく魅力的なささやきです。

 しかし、この誘惑にのって「高慢」になり、1点失った時点でそのままガンガン攻めていったら・・・おそらくもっとやられていたでしょう(2失点の可能性)。実際、先発メンバーの入れ替えはチームとして機能していませんでした。そして、結果として予選突破はできないことになっていたでしょう。

 このブログでは「素直さと賢明さを合わせ持つ」ことの大切さを書いてきました。「鳩のように素直に、蛇のように賢く」ということわざにあるとおりです。

 つまり、それは時にはかっこ悪くても、魔のささやき、誘惑に乗らないために必要なことなのです。前回ブラジルワールドカップで苦い結果に終わった代表チームにとって、三戦目に与えられていた順位が神様の贈り物だとして、それが予選突破のために与えられたチャンスなのだとしたらなおさらなのです。

 人事を尽くして天命を待つのではなく、天命を知って人事を尽くすことが大切です。この人事を尽くすときに「魔のささやき」に注意することです。それは人間を自己中心にしやすいからです。

 魔のささやきはじつに巧妙です。その誘惑に乗ると、人間は「望み過ぎて、結果すべてを失う」ことになりやすいのです。その結果、後になって失望することがないようにしたいものですね。そういう意味でも、日本代表の最後の10分の判断は正しかったのだろうと思います。