生き方モデル

バランスを取り戻す

 心の病は心のバランスを崩すことから始まります。そして私たちの心や身体は、バランスを崩した状態で長く生活をしていると(そのような生き方をしていると)、さまざまな症状となってそれを警告しだすのです。しかし、現代の医療では症状の除去や緩和は出来ても、特に心の病に関して、バランスを取り戻すための知恵はあまりにも軽視されています。
 これからの医療では、それ(バランスを取り戻す知恵)こそが大切であるということを伝え、その知恵を共有していく必要があります。そしてそれは個々人の生き方にとどまらず、会社組織の在り方や地域社会の在り方まで、多くの領域で大切なことです。

 さて、今日はそのバランスに関して、生き方と暮らしそして地域社会というテーマで、まちさな就労支援センター事業のキッチン&カフェの存在意義について書いてみます。

まちさな就労支援事業(キッチン&カフェ)のこれから

 昨今、戦後日本の大規模・チェーン店化・薄利多売・使い捨て大量消費等の社会構造からの転換の動きは徐々に始まっており、人口減少とともに今後それは加速していくでしょう。それは行き過ぎた資本主義とグローバリゼーションに対して人間が真の自由を取り戻す、生き方のバランスを取り戻すムーブメントかもしれません。

 つまり、地域の資源とのつながりを活かしながら、たとえ小さくて、こじんまりであっても、豊かに、そして自由に生きていくというムーブメントであり、それはすでに始まっています。震災以降に生まれたローカルブームとともに、都会から地方に移住し、ユニークな働き方・生き方を実践する人も増えています(きっかけは老いた両親の介護や定年退職だったりする場合もあるでしょう)。

 地方に移住して仕事そのものと暮らしを自らクリエイトすることは、自由を取り戻すための一つの生き方であると捉えると良いと思います。人間とはそもそもクリエイティブな存在だからです(しかし、実際に田舎暮らしにあこがれて移住しただけでうまくいかず挫折する人も多いです)。

 さて、個人のレベルにおいて、例えば「暮らし」「ガーデン」「自然農」「食」の分野ではすでに個々人では先駆者がいて、それが例えばみなさんご存知の、津端英子、ベニシアさんetcです。

 彼女たちは高度経済成長末期の1980~90年代から独自にこれらをスタートさせ、結果として「時代を先取りして」人生の成功(実りある人生)を収め、今も活躍中です。彼女たちの当初の目的はあくまで家庭での「まかない」や「暮らし」「おもてなし」を楽しむためでしたが、徐々にそれが人々の目にとまるようになり、今では本や番組、映画になって、多くの人々の心や生き方に影響を与えていくこととなりました。

 彼女たちの発信したメッセージは、「自家製しよう!」から始まり「主体的で自分らしい生き方や暮らしを始めよう!」ということであり、多くの人に豊かさの基本がここにあることへの気づきを与えました。

 しかし、当初、都会でこれらを実践できるのは限られた人々でしかありませんでした。また、今に至っても、その生き方や暮らしにあこがれる人は多いですが、あこがれだけに終わっている人や、なんとか真似しようとしても仲間も見つけられず一人だけの孤独な実践では長続きしない人も多いのです。

 したがって、いろんな町や村などそれぞれの地域社会の中で、「自家製しよう!」「自分で作ってみよう!」「小さくても自分らしい生き方をしよう!」というムーブメントのリーダーとなる「存在」が必要なのです。それが社会の在り方や人の生き方、暮らし方を変えていくことに道をひらいていく(突破口を開けていく)ことになります。

 つまり、私たちには「地域社会にこのような変革の影響を広める、根づかせていく使命があり、そのような人々の間につながりを生み出していく役割がある」と考えています。それが地域社会を豊かにします。そのために、まちさなでは設立当初から「まちさなマインドとは何か?」「クリエイティブとは?」「リーダーシップとムーブメントとは?」「本物と偽物の違いとは?」などについて学んできており、これらはすべて、今後の未来を先取りするための基本的な知恵でもありました。

 今後、「まちさな」の就労支援事業は「自家製マインドの溢れ出る場所、小さくても自由でクリエイティブなマインドを持つ人が集まる豊かな場所」にしていきたい。そして、そのようなバランスの取れた未来の地域社会を先取りする活動を展開していこう!と考えているのです。それは、大都市と地方とがそれぞれに魅力を持ちながら発展していくことへのタネを蒔くという意味もあるのです。