
今回の講演では心の病からの回復に関する大切な視点をお伝えしましたが、その中でも最も重視してほしいのが自分の回復を「祈る」ということです。あの祈りにピンときてやってみる(一歩行動してみる)人が実際にどれくらいいるかわかりませんが、ぜひやってみていただけたらと思います。
さて、祈り(Prayer)にはどんな効果があるのでしょう?
科学的にも立証された祈りの効果
ある総合病院で次のような実験を行いました。まず、心臓治療ユニットに入院した393人の患者を無作為に二つのグループに振り分けました、A群は「祈ってもらうグルーブ」で、B群は「祈ってもらわないグループ」でした。この振り分けは、厳密な臨床実験で用いる基準を適用して行われ、しかも、患者本人は勿論のこと治療に関わる医師や看護掃にも知らされませんでした。そして祈るために集められたボランティアとともに実験は始まりました。
祈りの実験の結果
その結果、祈ってもらった患者たちA群の方が、祈ってもらわなかった患者たちB群に比べて、病気の良好な経過に明らかな有意差が認められたのです。
この実験によって「祈る」という行為が、患者の症状経過に影響を及ぼすことができるということが明らかになりました。この実験の方法と結果についてある医師は「この研究は精査に耐えうるものだ。おそらく我々医師は1日3回祈ること、と処方箋に書くべきなのだろう。祈りは効くのである」と述べています。
もうひとつは、日本の脳科学者の研究で、祈ることが脳にさまざまな影響を与えるというものです。他者が幸せになれるように祈る行為は、脳において善いことをしていると自覚され、脳内にオキシトシンなどの快感物質を分泌させます。これは、人を助けたことで脳内快感物質が増加するということであり、誰かのために祈ったことが、自分の幸せをも生み出すのです。つまり、祈ることは自分にも他人にも両方にとって幸せなことなのです。
さらにはこの「オキシトシン」ですが、最近、東京大学精神神経科グループは、対人場面でのコミュニケーションが困難という発達障害(自閉性スペクトラム)の中核症状そのものに対してオキシトシンを投与し、二重盲検試験にて改善効果があることを世界で初めて実証し、英国科学誌にて発表しました。
ヤベツの祈りのサナーレ版は、心の病からの回復に役立つようにオリジナル版に私が加筆修正し作成したものですが、いずれにしても、祈るという行動自体が、回復にとって必要な、本質的なことの一つだと思っています。
素直に純粋な気持ちで祈りそして待つことのできる人はいずれ、「祈りは天(神)に聞かれる」ものだということに「気づく」時が来ます。
そういう意味でも「祈る(行動する)」→「待つ(委ねる)」→「気づく(サインを受け取る)」のサイクルを意識することが大切なのです。
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