
さて、一つ、あなたに質問です。あなたを取り囲む環境や経験。つまり文化や社会、そして主観的な感情といったものは、あなたの細胞内の遺伝子にまで影響するものだと思いますか?
たとえば、社会から疎外された強い孤独感、個人が感じるストレス、あるいは逆にあなたの豊かな生き方や社会的充実感による深い幸福感や満足感は、われわれの遺伝子の働きをコントロールする因子(エピゲノム)に変化をもたらすのか?という意味です。
答えは“イエス”です。
以前より、医学、ライフサイエンス、心理学などの分野で、孤独な人は病気になりやすいとされていることを、このブログでもテーマとして取り上げてきました。さて今回は、さらに一歩進んで、人間の人生環境や生き方は、あなたの遺伝子機能のスイッチレベルにまで及ぶことについて書いてみます。
つまり、あなたの生き方はあなたの遺伝子の制御・発現をエピジェネティックに変化させうるということです(DNAが生命の設計図であるならば、遺伝子はその設計図の発現の型であり、エピジェネティクスとはDNAの塩基配列を変えることなく、遺伝子のはたらき方を決めるしくみであり、突然変異などに関係なく、遺伝子組み換えなどせずに、遺伝子性質が変化すること)。あなたの生き方により遺伝子の働きを変えられる可能性が示されてきています。
スティーヴ・コール博士は、幸福感が免疫細胞に及ぼす影響について調べ、2013年の論文において「幸福の種類」によって免疫細胞のエピゲノムが変化すると発表しました。博士はまず被験者80人を「幸福の種類」別に分けました。
1つめのグループは快楽または嗜好的な快不快など目先の欲求を満たすことで簡単に得られるもの、例えば「おいしいものを食べて幸せ」や、「欲しかったものが買えて幸せ」「お気に入りの家具や車に囲まれて幸せ」などの満足感での幸福感が高いグループです。
2つめの幸福感は「人生に方向性や意味がある」「よりよい人間に成長できるような体験をしたことがある」「社会に貢献できるものがある」などの理由が満足感になり幸福感が高いグループです。
1つめのフループでは、免疫細胞が活性化するどころか孤独感を感じているグループと同じようなエピゲノムのパターンが見られました。そして逆に2つめのグループでは、免疫細胞や免疫力ははっきりと優位に活性化されていたのです。
そして今日、エピゲノムは精神疾患の発生や病態と密接に関係していることがわかってきており、それらは免疫機能を操作する脳神経系細胞において生じることが明らかになってきました。つまり、生物学的なストレス脆弱性は遺伝よりむしろあなたの生き方で可変されるもので、そしてあなたはあなたの生き方によって自分の遺伝子をより良く発現させ、それを次世代にまで継承出来るという可能性があるです。
「人生をフルーツにするマインド・セット」は真の豊かさをもたらすマインド・セットです。そしてそれはコール博士の研究でいえば2つめの幸福感をもたらすものであり、「遊びと仕事と社会貢献はそもそも一つ」という概念からも明らかです。
結局、真の豊かさと充実感は、病気になりやすい因子を抑制するだけでなく、生まれた時に与えられたあなたの遺伝子の発現(資質、才能、役割)をもよりよく活性化してくれる可能性があるということなのです。
人間は、大豆や他の自然物を遺伝子組換えなどで変えようとしていますが、ちょっと待った、あなたの人生はどう?って聞きたいところです。
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