
収入格差が広がっていることにいろいろな原因が想定されているが、一番わかりやすいのは、①終身雇用制が崩壊したことと、②知識より思考の時代に移行し、思考格差が広がっていることの影響と考えられる。終身雇用の崩壊とは企業組織運営の概念が変わり、仕事のパフォーマンスに関係なく年齢が上がれば報酬がもらえる制度から仕事のパフォーマンスで報酬が決まり、年齢は関係ない制度に移行したことであり、ある意味、平等になったということである。若くてもパフォーマンスの良い人が活躍しやすくなる時代である。
思考格差というのは、インターネットの普及で調べれば誰でも知識自体を得ることが可能になり、その知識をどう使うか?の時代に移行したということである。そういう意味で思考の自由環境が増加しており、得た知識をどう使い、どう行動するか?ということである。
格差社会の問題の原因の1つとして非正規社員、フリーターの拡大が指摘されることが多いが、大多数がそうだからそれが原因だとするのではなく、数が少なくとも実際にパートやアルバイトから社長になっていく人もいる。そしてそういう稀だと思われてきたことが現実に増えてきているということに注目する必要がある。自分の世界を変えて行くのは「お金」や「知識」や「社会的ポジション」ではなく「思考力(考え方)」なのである。
一般的に仕事ができる人とは次のような人である。
①思考力がある、②知恵・実践的スキルがある、③性格が良い(素直・向上心がある・誠実)、④コミュニケーション能力が高い、⑤自分のことが分かっている(性格・才能・役割)、⑥行動力がある、⑦効率が良い・仕事が速い、⑧段取りが良い、⑨高い視点を持てる、⑩自主的に物事を進めていける、⑪混乱がない・シンプル・頭の中が整理されている、⑫想像力・創造力がある、⑬自己責任感がある。⑭失敗から学べる。⑮使命がわかる。
スタート時点では能力がそれほど高くない人でも、素直さがあれば学んでいくことができるから大丈夫である。松下幸之助も「自然の理法は、いっさいのものを生成発展させる力を持っている。だから素直な心になって自然の理法に従っていればうまくいく。世の中は成功するようになっている」と語っている。しかし、素直でないとノビシロに乏しくなる。「はい、分かりました」と表面的には周囲に合わせている人は一見、素直に見えるが、実は頑固な場合もあり、そういう人は変化や成長が少ないので逆にすぐわかる。また、本人自身が「自分は素直」と言っている人の素直さは逆にかなり怪しく、素直な人は「自分は素直」と言わないし、実際には自分は素直だと思っている人でも頑固な人は多い。そして、頑固なのに自分が素直だと言う人は実は相当頑固であると思っておく必要がある。
知識より思考の時代に入ったといっても、勘違いしやすいのはそもそも一人で達成できてしまうことは使命ではないということである。一人ひとりが、自分に与えられた能力・才能を生かし、知恵を使い、チームを形成し、きちんと役割を果たすことでパフォーマンスは最大になるのであり、一人で成功しようとするとむしろ使命の本質から外れていく。最初から①から⑮の要素をすべて持っていなくても、仕事ができる人の要素は何なのかを知り、チームを形成することでそれらはしだいに伸びていくことを知っておくことが大切である。性格のような一見変わりにくい要素でも、チームの力がそれを呑み込んで変えていくことがあるのである。
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